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生活防衛の波とメジャーSQ「幻」回避

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どうも、高橋です。

9月も中旬に差しかかりましたが、ニュースを見ていると相変わらず食品や外食チェーン、公共料金などの相次ぐ値上げや各種サービス改定の話題が絶えませんね。

家計への負担がジワジワと重くなる中で、消費者の間では徹底的に無駄を削る節約志向と、本当に価値を感じるものだけにお金をかけるメリハリ消費という二極化が一段と加速している印象を受けます。

こうした生活防衛の意識が高まる局面において、株式投資の視点ですぐに頭に浮かぶ銘柄といえば、100円ショップ大手のセリア(2782)や、業務スーパーを展開する神戸物産(3038)といった企業群です。

消費者の財布の紐が固くなるほど、こうした低価格・高コスパを強みとするディフェンシブ内需株には強い実需の追い風が吹きます。日々の生活の中で感じるちょっとした消費の変化は、そのまま株式市場の有力な投資テーマに直結している好例と言えるでしょう。

そして、生活の中で締めるところは締め、使うところは使うというメリハリが求められるように、今週の株式市場もまた、明確なテーマや需給の裏付けがある銘柄と、そうでない銘柄との間で非常に激しい二極化が進む一週間となりました。

9月限メジャーSQを通過:幻のSQ値を上回った「+971円」の意味

今週の国内市場における最大の需給イベントは、昨日9月11日(金)に迎えた9月限メジャーSQ(特別清算指数算出)でした。

先物やオプション取引の手仕舞い・乗り換えが交錯する中で確定した日経平均225のSQ値は、63,039.49円。

そして、注目の9月11日の日経平均株価の終値は64,011.34円となり、SQ確定値を+971.85円上回って取引を終える結果となりました。

相場の世界では、SQ当日の日経平均終値がSQ値を下回ってしまう現象を幻のSQと呼び、短期的な下落トレンドのサインとして警戒される傾向があります。しかし今回は、そのSQ値を1,000円近く上回る水準で引けました。

先物主導の激しい揺さぶりの中でしっかりと下値を固め、SQ値を上回って着地したという事実は、足元の需給面において非常にポジティブな材料です。荒波に揉まれながらも、ここから再び中期的な上昇トレンドへと上向いていってほしいところですね。

日米の中銀イベントを控えた神経質な地合い

ただし、SQを通過したからといって手放しで喜べるようなイケイケの相場環境ではありません。

足元のマーケットは、来週に迫った日米の金融政策決定会合を目前に控え、極めて神経質な展開を強いられています。

国内では、日銀高官による相次ぐタカ派的な発言を受けて国内長期金利が上昇圧力を強めており、年内の追加利上げペースが想定以上に早まるのではないかという警戒感がくすぶっています。これに伴い、為替市場でもドル円が神経質に上下へ振らされ、輸出関連株の上値を抑える重荷となりました。

市場全体が「大きな政策イベントの発表を待ってから動きたい」という様子見姿勢を強めているため、指数そのものは方向感に欠けるもみ合いが続いています。

好材料と独自テーマに集まる短期資金

このように指数全体が動きづらい膠着相場だからこそ、市場に滞留しているアクティブな資金は、個別の好材料が出た銘柄や、独自の強いテーマ性を持つ銘柄へと猛烈な勢いで集中しました。今週特に目立った銘柄の動きを振り返ってみましょう。

  • 豊和工業(6203) 防衛関連の代表格として連日活況な商いを伴い、金曜日にはストップ高を記録する強烈な買いを集めました。地政学リスクや予算関連の思惑を背景に、テーマ性の強い銘柄への資金集中を象徴する動きとなっています。
  • フィーチャ(4052)・ヴィッツ(4440) 先週からお伝えしている自動運転関連への物色意欲は依然として衰えていません。画像認識技術に強みを持つフィーチャや車載ソフトのヴィッツなど、関連の中小型株には押し目を狙う短期資金が次々と流入し、人気が継続しています。
  • エアトリ(6191) 今週、サプライズ好材料で市場を驚かせたのが旅行プラットフォーム大手のエアトリです。同社は26年9月期の連結業績予想について、最終利益を従来の6億円から19億5,000万円(前期比9.6%増)へと3倍以上に大幅上方修正しました。さらに、これまで未定としていた期末一括配当予想を、前期の10円から一気に160円へと引き上げる驚異的な増配を発表。これらを強烈に好感した買いが殺到し、株価は急伸を見せました。

業績の裏付けや強烈な株主還元がある銘柄には、地合いに関係なくしっかりと評価の買いが入るという、非常に勇気づけられる値動きでした。

来週の相場を見るポイント

さて、来週のマーケットですが、今年後半のトレンドを決定づけると言っても過言ではない、日米の金融政策ウィークに突入します。

最大の焦点は、9月17日(木)〜18日(金)に重なる、米FOMCと日銀金融政策決定会合です。

現在の市場は、

  • 米国(FRB):利下げサイクルの開始(利下げ幅が0.25%か0.50%か)
  • 日本(日銀):追加利上げへのスタンスや将来的な引き締め姿勢

という、利下げする米国と、利上げを模索する日本という真逆のベクトルを同時に消化しなければなりません。

日米の金利政策スタンスのギャップから、為替(ドル円)相場が短時間で数円単位で乱高下するリスクが非常に高く、それに伴って日経平均をはじめとする株式市場全体のボラティリティ(変動率)が跳ね上がる可能性に厳重な警戒が必要です。

さらに来週は、需給面で注意しておきたい要素がもう一つあります。 それが、新規上場(IPO)の集中です。

  • テクノクラフト(622A)
  • ベルテックス(623A)
  • かがやきホールディングス(624A)
  • Akippa(627A)

など、注目の新興企業が相次いで市場に登場します。

IPOラッシュは新興市場を盛り上げる起爆剤になる反面、個人投資家の限られた買い資金が初値買いやセカンダリー投資へと分散・吸収されてしまうため、既存の主力グロース銘柄や中小型株の商いが一時的に薄くなる資金分散リスクをもたらします。

メジャーSQを上回って引けたことで、相場の底流には確かな力強さが感じられます。 しかし、日米の中銀イベントという巨大な波を前に、わざわざ高いレバレッジをかけて勝負を挑む局面ではありません。

まずは来週中盤から後半にかけての政策発表と為替の落ち着きをしっかりと見極め、生活防衛と同じように守るべき資金は守り、確固たる好業績株の押し目にだけ出動するというメリハリを利かせたトレードを徹底していきましょう。

寒暖差も出てくる時期ですので、体調管理にも気をつけて良い週末をお過ごしください。

今週もお疲れさまでした。

それではまた!

松井証券

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