どうも、高橋です。
暦のうえでは、来週からいよいよ9月に突入しますね。
ついこの間2026年が始まったばかりに思えますが、今年も残り4か月と考えると、本当に時の流れの早さを実感させられます。
さて、この時期になると田んぼの稲穂も黄金色に実り、まもなく新米の本格的な収穫時期を迎えます。実は今、コメ市場において2026年産の新米が大幅に値下がりするのではないか、という見通しが強まっていて大きな注目を集めています。
民間在庫が過去最高水準に積み上がっていることや、農協が支払う概算金の落札・提示価格が下落傾向にあることなどから、流通現場では早くも米価格の先安感が強まっているのです。依然として様々なモノの価格が上がり、生活防衛意識が高まっている私たち消費者にとって、主食であるお米の値下がり観測は非常に嬉しいニュースですよね。

こうした生活コストの落ち着きが、お米だけでなく他の食料品や日用品、さらにはサービス全体へも良い形で波及していってほしいものだと切に願います。
そして、この価格が落ち着くことで次の消費や循環が生まれるという身近な変化は、実は株式市場における資金の流れ(物色動向)とも非常に良く似ているところがあります。
今週の日本株市場も、まさに「どこにお金が向かい、どこで資金が巡っているのか」が非常にはっきりと表れた一週間となりました。
エヌビディア決算を控えた様子見と半導体株の攻防
今週の株式市場における最大の焦点は、日本時間の27日朝に発表された米AI半導体大手エヌビディアの決算でした。発表直前に向けては、世界中の投資家がポジションを固定できず、週前半から市場全体に強い様子見ムードが広がる展開に。
いざ発表を迎えると、その直後は関連銘柄を中心に上下へ激しく乱高下する場面が見られたものの、好決算をしっかりと織り込みつつ、半導体・ハイテク株全体としては底堅い推移を維持する結果となりました。決算発表を通過したという事実は、短期的な不透明感を後退させる意味で一定の安心感につながっています。
日経平均6万6000円台の攻防とTOPIX優位の展開
こうしたハイテク株の動向を受け、日経平均株価は一時的な反落を交えつつも、しっかりと6万6,000円台の節目を維持する粘り強い動きを見せています。
ただ、今週の相場をより特徴づけていたのは、日経平均よりもTOPIXの堅調さでした。
指数寄与度の高い半導体関連株が乱高下する中で、市場の資金は内需・サービス関連の主力大型株や金融株へと向かいました。特に、リクルートホールディングス(6098)などは「内需・サービス関連の主力銘柄」として見直し買いが入り、非常に好調な値動きを見せて存在感を放っていました。
また、先週のコラムでも注目していた自動車株に関しても、今週は非常に堅調な推移を辿りました。
こちらも半導体株に比べてバリュエーション面の割安感が強く残っていることや、9月末の権利付き最終日に向けた配当取りの動向が市場で強く意識された結果だと捉えることができます。半導体一本槍ではない、健全な資金循環が起きている証拠と言えるでしょう。

底堅い東証グロース250指数と活発な個別材料株
大型株が各種指標や米決算の発表待ちでこう着状態となる一方、個人投資家の短期資金が元気に動き回っていたのが東証グロース市場です。東証グロース市場250指数は非常に底堅く推移しました。
指標発表を控えて動けなくなった大型株を横目に、フットワークの軽い資金が「小回りの効く小型グロース銘柄」へと波及し、個別の好材料が出た銘柄には連日でストップ高をつけるものが出るなど、物色意欲そのものは非常に旺盛な状態が続いています。
ここで、今週特に目立ったテーマと銘柄をいくつかピックアップしてみましょう。
- サイバーセキュリティ・ソフト関連
- FFRIセキュリティ(3692)
米国市場でクラウドストライクなどのセキュリティ大手が好決算を発表したことを受け、市場全体でセキュリティ需要の再評価。同社にも買戻しと短期資金が急増し、ストップ高を交えて急伸。
- FFRIセキュリティ(3692)
- 次世代テクノロジー・新興IPO株
- ティアフォー(593A)
自動運転プラットフォームを手掛ける唯一無二のポジションが評価され、昨今のPhysical AI(実体を持つAI・ロボティクス)やモビリティ関連への関心の高さも相まって、力強い買いが先行。 - FUNDINNO(462A)
Web3やスタートアップ投資プラットフォームというビジネスモデルの独自性が好感され、連日で投資家の買いが集まり、活発な売買高を伴った強い展開。
- ティアフォー(593A)
このように、指数全体が方向感を探る局面であっても、テーマ性と独自性を持った銘柄にはしっかりと強い資金が流入しています。

日銀の9月追加利上げ観測と為替の探り合い
マクロ環境に目を向けると、先日の米7月PCE(個人消費支出)デフレーターなどのインフレ指標が前年比+3.7%と市場予想を上回る上振れを見せたことや、米長期金利の推移を受け、市場では日銀による9月の追加利上げへの警戒感が再びジワジワと意識され始めています。
これに伴い、ドル円相場も日米の利回りを巡る思惑から上値も下値も攻めきれず、方向感を探るもみ合いの展開が続いています。
来週の相場を見るポイント
さて、いよいよ9月相場へと突入する来週ですが、マーケットの焦点は「米国の景気動向とFRBの利下げ幅」に完全に向かうことになります。
特に注目すべき重要指標は以下の2点です。
- 9月1日(火):8月 米ISM製造業景況指数
- 製造業の景況感はもちろん、インフレ圧力に注目。50の節目を挟んだ数字次第で米長期金利が敏感に反応しやすいイベント。
- 製造業の景況感はもちろん、インフレ圧力に注目。50の節目を挟んだ数字次第で米長期金利が敏感に反応しやすいイベント。
- 9月4日(金):8月 米雇用統計【今週最重要】
- 非農業部門雇用者数および失業率の発表。FRBが9月のFOMC(金融政策決定会合)で実施すると見られている利下げ幅が0.25%にとどまるのか、それとも0.50%の大幅利下げになるのかの思惑を大きく左右する、今週最大の山場。
市場のメインシナリオとしては、週末金曜日の米雇用統計という巨大な山場を前に、米金利の動向やドル円の振れ幅が大きくなりやすいため、株価指数全体としてはイベント通過を待つ神経質な展開が予想されます。
また、足元では東証全体の売買代金がやや細ってきている点にも注意が必要です。売買代金が少ない状態で突発的なニュースや指標の上下が出ると、板が薄い分、思わぬ急な価格変動が発生しやすくなります。
上がりそうだからと前のめりになって過度なポジションを持つのではなく、まずは週末の米雇用統計という大一番の結果を見極める姿勢が大切です。
新米の季節を前に、私たちも手元のポジションをしっかりとお米のように実のある状態に整え、無理なリスクを避けながら来週の相場に冷静に挑んでいきましょう。
今週もお疲れさまでした。
それでは、また!